2025.08.19 業界動向

キャッシュレス時代の新常識。「決済承認率」改善でEC売上を最大化する方法

CVRやLTVだけでは足りない、EC経営の新KPI「決済承認率」とは

国内EC市場におけるキャッシュレス決済の普及は加速を続け、2024年の比率は42.8%に達しました。経済産業省の発表によれば、キャッシュレス決済の総額は141.0兆円を突破し、その約86%をクレジットカードとデビットカードが占めています。(※1)

しかし、この成長の裏側で不正利用は過去最高を更新しています。日本クレジット協会によれば、2024年のクレジットカード不正利用被害額は555億円に達しました。フィッシング詐欺や番号盗用といった手口の巧妙化により、加盟店やカード会社は一層の警戒を余儀なくされています。(※2)

そして、不正対策の強化が思わぬ形でEC事業者の売上機会を奪っています。それが「決済承認率の低下」です。マーケティングやUI改善に投資しても成果が上がらない背景には、この“見えない損失”が潜んでいるケースがあります。

 

本記事では、この決済承認率の低下が起きる背景や具体的な影響、そしてYTGATEが提供する「健康診断」をはじめとした可視化・改善の取り組みについてご紹介します。さらに、不正検知ソリューションとの違いや活用方法も解説し、EC事業者が売上機会を守り、最大化するためのヒントをお届けします。

 

※1:https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250331005/20250331005.html(METI/経済産業省)
※2:https://www.j-credit.or.jp/download/news20250624_a1.pdf(JCA)

「決済承認率」とは何か

「決済承認率(オーソリ承認率)」とは、カード決済の試行のうち最終的に承認まで至った割合を指します。CVRやLTVと比べると、社内で明確な指標として扱われていないケースも多く、経営会議で数字が上がらないまま、現場が“感覚”に頼って対応している状況も少なくありません。

YTGATEが2025年7月に実施したパネル調査(n=309)では、「決済承認率(オーソリ承認率)」という用語を正しく理解していた事業者はわずか28.2%にとどまりました言い換えれば、売上に直結する重要な指標でありながら、十分に把握されないまま日々の運営が行われているのが実情です。

改善の第一歩は、自社の承認率やエラーの内訳を明確に定義し、社内で共通の指標として認識することです。これにより、関係者全員が同じ土台で議論できるようになり、効果的な改善につなげることができます。

「決済承認率」が低下する理由

決済承認率の低下には、主に3つの要因が重なっています。

1.購入者起因の要因

入力ミスや必要情報の未入力、誤ったカード情報の入力など、購入者側の操作に起因するケースです。

 

2.カード会社の審査起因の要因

利用限度額の超過、本人認証の失敗、登録情報(住所・氏名など)の不一致といった、カード会社の与信・審査プロセスに起因するケースです。

 

3.システム起因の要因

決済代行会社(PSP)の処理遅延やネットワーク障害など、システム面で一時的に発生するケースです。

近年は、本人認証やチャージバック管理の強化を背景に、カード会社がリスク回避的な与信判断を行う傾向が強まっています。その結果、本来は正規の取引であるにもかかわらず否認される事例が増加しています。さらに、業種や商品単価、カード会社ごとの審査ロジックの違いによって承認率に大きな差が生じるため、単に全体の平均承認率を把握するだけでは、有効な改善策につながりにくいのが実情です。

不正検知の価値を高めるYTGATEの仕組み

不正利用を防ぐため、不正検知ソリューションの導入を検討するEC事業者は増えています。

世界的にはAccertify、Forter、Riskified、国内ではASUKAやO-PLUXなど、多様な不正検知ソリューションがあります。これらは自社の機械学習エンジンと膨大な取引データを活用し、リアルタイムに「承認(取引成立)/否認(取引不可)」を判定することに強みを持っています。導入を検討する際は、検知精度、導入容易性、運用負荷、付加価値機能(チャージバック保証、管理UI、サポート体制など)をバランス良く評価することが重要です。

YTGATEが提供するSaaSソリューション「YTGuard」は、会員情報のモニタリングから決済取引の監視、そして決済エラーが起きた際のリカバリーまでを一気通貫でサポートします。不正検知の単一エンジンを販売する立場ではなく、事業者に最適な不正対策を選定・実行する支援を提供する立場にあります。現時点では、Visa社の不正検知エンジン「Decision Manager」と接続しており、国内外の多くのEC事業者で高い実績を持つ堅牢なソリューションを活用いただけます。さらに、お客様の業種・商材・決済環境に応じて、最適な不正対策の組み合わせを選び出し、導入から運用までを一貫してサポートすることで、安心かつ効果的な不正対策を実現します。

主な機能:

1.入口段階でのリスク遮断

会員登録・ログイン・属性変更といったプロセスで不正検知を行い、不正利用の芽を早期に摘み取ります。

 

2.決済直後の即時対応

不正取引を検知した場合には即時キャンセルを実行し、被害拡大を防止します。

 

3.エラー発生後のリカバリー

エラーコードの分析をもとに、案内メッセージの最適化、再試行の導線設計、認証手順の改善を行い、本来成立すべきだった取引の機会損失を減らします。

導入はシンプルで、必要情報を設定し、タグを埋め込むだけで運用を開始できます。さらに、高度な不正検知機能や分析マーケティング機能を段階的に有効化できるため、事業成長に応じて柔軟に拡張していくことができます。

さらに、YTGATEの特徴は、日本市場に特化した「承認率改善」支援です。日本特有の3Dセキュア運用や、EC事業者ごとに異なる国内カード会社の審査ロジックを踏まえ、承認率を引き上げるためのカード会社との交渉といった領域もカバーすることで、「不正を見つけて止める」ことに加え「売上を最大化する」承認率改善を一気通貫で提供しています。

YTGATEが提供する「無料健康診断」

YTGATEの「健康診断」は、EC事業者が自社の決済状況を客観的に把握するための無料診断サービスです。自社の決済データをもとに、承認率の水準やエラー要因の内訳、カード会社ごとの審査傾向を整理し、経営判断にも活用できるレベルで可視化します。

診断のプロセスは「初回設計→データ抽出→分析・可視化→提言」というシンプルな流れで構成されており、単発での利用だけでなく、月次のモニタリングにも対応可能です。これにより、一時的な改善にとどまらず、継続的な管理・改善の仕組みづくりに役立ちます。

以下では、決済承認率が良好なケースと、改善が必要なケースについて、それぞれのデモデータを紹介します。

結果が良好なケース

■ 月ごとの決済承認率の推移

・月ごとの決済承認率の推移は、96〜99%台で安定的に推移。

・直近では 98.9% を記録し、非常に高い水準を維持。

 

■ 金額レンジ別の承認率

・高額レンジになるほど承認率が低下する傾向はあるものの、いずれのレンジにおいても一般的なリスク許容範囲内。

・全体として90%以上を維持しており、取引額による大きな懸念は見られない。

 

■ エラーコード別内訳

・カード会社エラー:審査基準や本人認証プロセスに起因する可能性が高い。

・限度額オーバー:顧客側の与信枠超過によるもので、事業者側で直接改善するのは難しい。

・入力エラー:顧客の操作ミスによるもので、UI改善や入力補助によって削減余地が大きい。

・その他:発生頻度は低く、金額インパクトも限定的。定期的にモニタリングし、突発的なシステム起因がないか確認することが望ましい。

 

■ 診断結果の総評

承認率は90%以上を継続的に確保しており、非常に良好な状態。

発生しているエラーは主に入力不備や限度額超過によるもので、顧客案内や入力サポートを強化することでさらに削減の余地あり。現状では大きな懸念点はなく、安定した運用を継続可能。引き続き 月次モニタリングを推奨。特に市場環境や部門変更に伴う影響を早期に把握するため、定期的なチェックが望ましい。

改善が必要なケース

■ 月ごとの決済承認率の推移

・平均承認率は 79.2% と低水準。

・月ごとに大きな改善が見られず、安定して低い状態が続いている。

・特に直近でも承認率が80%を下回っており、早急な改善が必要。

 

■ 金額レンジ別の承認率

・2万円以上の購入金額から承認率が大幅に低下。

・高額取引におけるリスク回避的な与信判断が影響している可能性が高い。

・一部レンジでは承認率が 42% まで低下しており、売上機会損失が顕著。

 

■ エラーコード別内訳

・カード会社エラー:発生件数・金額ともに最も大きく、主要改善ポイント。

・限度額オーバー:高額取引に多く見られる。分割払いや代替決済手段の案内で改善余地あり。

・入力エラー:UI改善や入力補助により削減可能。

・その他:インパクトは限定的だが、突発的なシステム要因がないかモニタリングが必要。

 

■ 診断結果の総評

全体承認率が80%を下回っており、業界平均と比較しても低い水準。

特に高額取引と特定カード会社での承認率低下が顕著で、数千万円〜数億円/月の売上損失リスクがある。取引数上位3社のカード会社の承認率を90%まで引き上げられれば、売上改善効果は非常に大きい。まずは 主要カード会社の審査ロジック把握と対策、次に UI改善による入力エラー削減を優先課題とすべき。

健康診断後は「3つのフェーズ」で改善を伴走

YTGATEの「健康診断」は単なる診断で終わらず、その後は ①現状の把握 → ②不正対策 → ③承認率向上 という3つのフェーズで改善を伴走します。

具体的には、カード会社との対話や調整を通じて、決済否認の閾値見直し、審査ロジックの最適化、例外条件の設計を行います。また、不正対策のチューニングとして、特定パターンにおける誤検知の抑制も並行して実施します。

実際のEC事業者における取り組みでは、ユーザーに不安や不信感を与える状況を抑制し、さらに「EC事業者側の設定ミス」と誤解される風評リスクの軽減にもつながっています。加えて、見えにくかった「知らぬ間の失注」を可視化し、適切な対策を講じた結果、年間で数億円の取扱高を回復した事例も生まれています。

まずは「健康診断」で、経営指標としての決済承認率を可視化しませんか?

YTGATEは現在、Visa Decision Managerを中核としつつ、複数の不正検知ベンダーを組み合わせて活用できるアグリゲーター型ソリューションへと機能を拡張しています。これにより、日本の決済慣行に即した承認率改善を、診断から運用・改善まで一貫して支援できる体制を整えています。

 

実際に、JTB様では決済承認率の改善と不正対策の両立を実現し、ユーザー利便性と業務効率を同時に向上。アスニカ様との協業では、EC事業者の安全かつ効率的な運営体制を支援。さらにマイクロアド様との連携により、広告効果から決済完了までを一貫して最適化する仕組みを提供しています。

「承認率の低下による売上機会の損失」を放置すれば、知らぬ間に数億円規模の機会を失うことにもつながりかねません。逆に、現状を可視化し、改善に着手することで売上の回復と不正リスクの抑止を同時に実現できます。

まずは無料の「健康診断」で、自社の決済承認率を把握することから始めてみませんか?