2025.10.10 YTGATEのストーリー

CS・堀部さんが語る、決済オーケストレーションへの挑戦

面白さよりも「ワクワク」、AI創業期から複数スタートアップを経てYTGATEへ

YTGATEで働くメンバーの想いやキャリアを掘り下げる、社員インタビューシリーズ 

今回は、新卒でAIスタートアップに飛び込み、複数の事業立ち上げやCSの責任者を経験してきた堀部さんが登場します。「面白い」よりも「ワクワク」を軸にキャリアを選んできた彼が、なぜ決済という未経験の領域に飛び込み、今どんな挑戦をしているのか。その想いに迫ります。 

面白さよりも「ワクワク」。多様なキャリアの先にYTGATEへ

―― まずは、これまでのご経歴をお聞かせください。

堀部:1995年生まれ、今年30歳です(2025年9月時点)。高校卒業後は航空整備士を目指して専門学校に進学しました。しかし、地元の居酒屋でアルバイトをしていた時に中学時代の先輩からAIベンチャーに誘われ、専門学校を中退して2週間後には上京しました。新卒として入社したその会社は創業期のスタートアップで、OCR(光学文字認識)や画像認識AIの開発に携わり、3年弱で上場を果たしています。

 

―― 2015年時点ですでにAIに携わっていたんですね。新卒でスタートアップに入り、IPOも経験されて、そのまま役員としてキャリアを続ける道もあったのではないですか?

そうですね。でも、大手企業的な環境は自分には合わないと感じていました。その後は起業を視野にフリーランスとして活動し、複数のスタートアップや外資系企業でCS(カスタマーサクセス)の立ち上げや事業責任者を務めました。

最初の会社には7年ほど在籍しましたが、その後は1年未満で転職した時期もあります。以前は「なぜ辞めたの?」と聞かれることもありましたが、今はそうした経歴に対してネガティブに問われることはなくなりました。むしろ多様な経験を積んできたことが評価される時代になったと感じています。私にとっては追い風ですね。

 

―― その後、どのような経緯でYTGATEに入社されたのですか?

YTGATEからYOUTRUST経由でお声がけいただいたのがきっかけです。ちょうどその頃は共同代表として起業していましたが、経営よりもプレイヤーとして力を発揮する方が自分には向いているのではないかと考えていた時期でもありました。

これまでの転職は知人の紹介経由が多かったのですが、今回はあえて違う観点でトライしてみようと思い、「まったく経験のない分野にチャレンジしてみよう」と直感で飛び込みました。

 

―― これまでの経緯を見ても、出来上がったものを大きくするというよりは、やっぱり0→1が好きなんですね。

そうですね。正直、0→1でも1→10でも10→100でも、どのフェーズでもCSは面白いと思います。ただ、自分の中では「面白い」と「ワクワク」は別物なんです。ワクワクするのはやっぱり0→1。しかも単なるサービス開発ではなく、「新たな概念を生み出すイノベーションビジネスやプロダクト」に惹かれるんです。 Appleが、携帯電話の概念を単なる電話やメールのためのデバイスから、インターネットや音楽を組み込んだ新しいデバイスへと変えたように、私も新しい概念を生み出す仕事にワクワクを感じています。

AIベンチャー時代に、概念を生み出す経営者のもとで学んだ経験があるからこそ、その面白さに強く惹かれます。イノベーションは本来0→1ですが、多くの人が言う「0→1」は実際には既存の組み合わせやイノベーション後の成長延長線にあたるリノベーションです。私は“本当のイノベーション”にワクワクするんです。

YTGATEも、決済の仕組みそのものを変えていくという大きなテーマに挑戦できる点が魅力でした。

堀部さんの考える「イノベーションとしてのCS」

―― 現在のYTGATEでのミッションと、具体的な仕事内容を教えてください

カスタマーサクセス(CS)の大きなミッションは二つあります。ひとつは売上拡大、つまり新しいビジネスの進化やプロダクト価値の向上。もうひとつはチャーン(解約)の抑止で、いわばMOATを築くことです。お客様にプロダクトを導入していただき、それを定着させ、さらに活用を拡大していく。その結果としてLTVを伸ばすのが役割だと思っています。

ただ、決済の領域では少し事情が違います。単にLTVを高めればよいのではなく、新しい概念を生み出し、それを市場に浸透させていくことが前提になるからです。しかも決済はプレイヤーが多く、仕組みも複雑です。そのため各プレイヤーと連携しながら顧客課題を解決し、その知見をプロダクトに反映していくことが不可欠だと考えています。

 

―― カスタマーサクセスという仕事をもう少し体系的に説明すると、どんな考え方や仕組みになるのでしょうか? 

もともと営業は、新規の開拓から受注、導入後のフォローまでをひとりの担当者がすべて担っていました。でも、会社の規模が大きくなるにつれて役割を分担する必要が出てきます。そこで生まれたのが「ザ・モデル」という考え方です。営業プロセスを分業し、インサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスなど、専門の部隊ごとに顧客を支援する仕組みです。

この中でカスタマーサクセスは「導入 → 定着 → 拡大」を担います。お客様が導入した目的を達成するために伴走支援し、バーティカル/ホリゾンタルそれぞれに価値を広げていく。更にMOATを築いていくことで解約を防ぎ、アップセルやクロスセルを通じて売上を拡大していくわけです。結果的に、毎月の継続収益(MRR)を伸ばしていくことが弊社のようなSaaSプロダクトを扱うCSの役割になります

 

―― 具体的には、どのようにお客様に関わっていくのですか?

テンプレ通りに言えば、「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」という3つのアプローチがあります。

  • ハイタッチは重要なお客様に対して1対1で深く伴走する方法で、個別の課題解決を丁寧に支援します。
  • ロータッチはより広い顧客層に浅くアプローチするやり方。重要顧客以外を効率的にフォローする役割です。
  • テックタッチはマニュアルやウェビナー、コミュニティなどを通じた非接触型の支援。大規模に展開でき、お客様同士の学び合いや情報共有も促進できます。

これらを三角形のように組み合わせて設計し、限られたリソースで最大の成果を出すのがカスタマーサクセスの基本テンプレです。

 

―― 「今、カスタマーサクセスは社内で最も難しい部署」と取締役の山本さんが言っていましたが、なぜですか?

決済という領域は、関わるプレイヤーが非常に多く、要因も複雑だからです。ユーザーから見れば「1回の決済」でしかありませんが、その裏では不正検知、3Dセキュア、カード会社の承認可否など、さまざまな仕組みが同時に動いています。

さらにYTGATEが目指しているのは、単なる不正検知やモニタリングの提供にとどまりません。決済全体の承認率を改善する「仕組み」をつくることです。そのためにはカード会社や他のベンダーも巻き込んでいき、新たな決済インフラを築いていく必要があります。単体の機能だけでは差別化や根本解決にならないからこそ、難しくもあり、やりがいのある領域だと思っています。

先ほどのイノベーションの話にもつながりますが、例えばお客様の業務が1から10のステップで構成されているとします。そのうち1つだけを仕組み化や強化するのはリノベーション。しかし、1から10を丸ごと置き換え、新しいアウトプットと価値を生み出すのがイノベーションだと考えています。CSは、その名の通り「カスタマー」の「サクセス」に向けて、“イノベーション”を提供できる存在だと思っています。

 

―― 堀部さんは、「サクセス」をどのように定義していますか?

カスタマーサクセスの定義は会社によって異なりますが、共通して言えるのは「自社プロダクトを活用し、顧客の売上向上や課題解決といった成果を実現することで、顧客価値を最大化していくこと」だと思います。

YTGATEにおけるサクセスは、もう少し具体的に「連続的な価値改善の運用」と定義しています。単発的な成果ではなく、決済承認率の改善や新しいソリューションの提供を継続的に重ねることで、お客様の目標達成や新たな価値創造を実現していく。長期的な伴走を前提にした考え方です。

一方で、世の中にはCSを専門職として極めている方々が多くいて、自分がその道を突き詰めているかというとそうではありません。 私自身はどちらかというと、導入段階で価値を創り出す「プリセールス」に近い動きの方がしっくりきます。オンボーディングや初期の設計でプロダクトの価値を最大化する。その部分でこそ、自分の強みを発揮できると思っています。

 

―― なるほど、CSの難しさや魅力が少しわかったような気がします。では実際に、それを日々形にしている現在のCSチーム体制について教えてください。

現在のCSチームは、翔之介さん、辻さんと私の3名体制で、上長はCROの志村さんです。また、この2名はコンサル業務や営業も兼務しており、現在CS専任のメンバーはほぼいない状態です。立ち上げ期なので「まず綿密に計画を立ててから進める」というより、仮説を立てて走りながら修正していくスタイル。まさにスタートアップらしい進め方だと思います。

ワクワクを原動力に、決済オーケストレーションを築く

―― YTGATEで働き始めて、新しく身についたスキル・考え方はありますか

決済の基礎知識はまだキャッチアップ中ですが、入社当初に比べるとかなり理解できるようになってきました。それ以上に大きな学びは、代表の高橋さんと山本さんの進め方です。高橋さんは毎日のように社内に向けてビジョンを示し、山本さんはIR資料を通じて数字で全社を納得させる。そのロジカルさと透明性は、これまで私が関わってきたスタートアップの中でも圧倒的で、とても刺激を受けています。二人のもとで働くことで、自分の考え方や視野も広がっていると感じますね。

 

―― 今後、YTGATEで挑戦したいことや、目指している姿はありますか

入社時に惹かれたのは「決済オーケストレーション(Payment Orchestration) 」という構想でした。長く変わってこなかった決済の仕組みを、新しく作り変えようとしている点に大きなワクワクを感じています。

その中でCSとして取り組みたいのは、テックタッチの仕組み強化です。というのも、主人公はお客様であり、課題もお客様の現場で起きています。そのため、お客様同士で現状課題や価値を共有し合い、実行を加速させられるコミュニケーション基盤を構築したい。そのためにユーザー同士のコミュニティをつくり、ナレッジを共有できる場を育てたいと考えています。単なるプロダクト価値にとどまらず、YTGATEを通じて新たな価値を創出できる環境を作りたいですね。

 

―― 最後に、YTGATEへの入社を考えている方やCSの仕事に興味がある人に向けてメッセージをお願いします。

できるかできないかではなく、まずは 「面白そうかどうか」で選んでほしいと思います。スキルや知識は後からいくらでも身につきますが、ワクワクは後から作れません。

私自身、決済は未経験でしたが「直感的に面白そう」と思い、飛び込みました。スタートアップは走りながら形をつくっていく環境なので、不確実性を楽しめる方には最高の場所です。一歩踏み出す勇気さえあれば、きっと新しい景色が見えてくると思います。

この記事を読んで少しでもYTGATEに興味を持っていただけたら、ぜひ他の社員インタビューも覗いてみてください。 YTGATEでは、多様な経験や強みを持ったメンバーが、それぞれの視点で挑戦を語っています。ぜひ会社やチームのリアルな姿を知っていただければ嬉しいです。

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